皆さんはロイコトミー手術をご存知でしょうか?
ロイコトミー手術とは、1940年代に実際に行われていた、精神疾患に対する外科的治療のことを指します。
そんなロイコトミー手術が行われるようになったきっかけとは?
また、ロイコトミー手術とはどのような手術法だったのか。
今回は、史上最悪のノーベル賞と言われた、ロボトミー手術についてご紹介しましょう。
チンパンジーを使った動物実験を開始
ここでは、下記の2項目についてまとめました。
(1)ロイコトミー手術のきっかけは?
(2 )エガス・モニスによって広まった「ロイコトミー手術」
ロイコトミー手術のきっかけは?
1935年に、ジョン・フルトンとカーライル・ヤコブセンの2人によって、動物の「チンパンジー」を用いた実験が行われました。
その内容はチンパンジーの中でも凶暴な性格のチンパンジーを選び、前頭葉を切ることで性格を穏やかにするというもの。
この実験は見事に成功。凶暴だったチンパンジーが大人しくなったと学会で発表されました。
エガス・モニスによって広まった「ロイコトミー手術」
ロイコトミー手術は、ポルトガルの神経科医であるエガス・モニスが見出した治療法です。
ロイコトミー手術…こめかみ辺りから左右に穴を開け、メスを挿入して前頭葉の白質を切除する
ロイコトミーは、有名な「ロボトミー手術」の前進にあたります。
史上最悪のノーベル賞と批判される
ロイコトミー手術を見出した、エガス・モニスは1949年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
一見輝かしい経歴を持つ、エガス・モニスですが、このノーベル賞に対し「史上最悪のノーベル賞」と批判の声が殺到。
医者の勘だけで行われた手術法だったことで、後遺症に苦しむ人が大勢いたのです。
こうしたことで、ロボトミー手術の被害者家族から、ノーベル賞取り消しの運動も行われました。
史上最悪のノーベル賞と批判されたロイコトミー手術。
現代の医学では的確に行う事が出来るのかもしれませんね。