前回のあらすじ⇨(1)森蘭丸・本能寺の変で奮戦し織田信長と共に討死した若き小姓の生涯
織田信長の小姓として仕えた森蘭丸。 天正9年(1581年)には、近江国(現在の滋賀県)に500石。
翌年には美濃金山(現在の岐阜県可児市)を与えられ、兄、可成の所領と合わせると5万石となりました。
小姓としては、異例の出世をした蘭丸。 今回は、信長と蘭丸に後世残っている逸話をご紹介します。
織田信長に忠実な森蘭丸
ここでは、下記の2項目についてまとめました。
(1)爪の数が足りない!
(2)わざと転んで見せる
(1)爪の数が足りない
ある日、信長が爪を切っており、その切った爪を捨てるように言われた蘭丸。
すると蘭丸が信長に言いました。 「信長様、爪が9つしかありません。どこかに1つ落ちていませんか?」
信長が袖をふると爪が1つぽろり。 爪などは、呪いの材料などに使用されることもあったとか。
蘭丸は、信長の爪が悪用されるのを心配したのでしょう。
(2)わざと転んで見せる
ある日、蘭丸がカゴいっぱいのみかんを運んでいました。
それを見ていた信長は、「そんなにたくさん持つと転んでしまうぞ」
すると蘭丸は、転んでみかんを床にばらまいてしまいます。
信長「ほれ見ろ、わしの言う通りになったではないか」
仲間の小姓が心配して蘭丸に尋ねると、「今のはわざと転んだのだ、信長さまが転ぶと言ったからその通りになっただろ」
何とも微笑ましいエピソードですね。
18歳の若さで死す!
天正10年(1582年)6月2日、早朝に起こった本能寺の変。
蘭丸は信長と共に戦いますが、明智方の家臣、安田 国継(やすだ くにつぐ)に討たれ18歳でこの世を去ります。
生前、光秀の謀反を疑い、信長に光秀を斬るよう忠告していた蘭丸。
しかし、信長が聞き入れることはありませんでした。 もし、信長が蘭丸に耳を傾けていれば、歴史も変わっていたかもしれません。
蘭丸が、将来どのような武将になるのか、その先を見てみたかったですね。